【ユーカリ】(フトモモ科)

■からだに効く花図鑑/1996.10月号■


■ハーブの歴史■

 ユーカリの樹は、フトモモ科の常緑樹で1m潅木から100mに達する大木まであり、広葉樹としては最も高くなります。英名では“ガムの木”と呼ばれ、その種類は約600種類にも及びます。この大木になる樹は侵食を防ぐ作用や造林用、防風用で各国で栽培されています。北アフリカではマラリアの拡大を防ぐためにユーカリの樹が湿地に植えられています。ユーカリはまた防虫作用もあるので、湿地から蚊が発生するのも防いでいます。
 ユーカリの国として名高いオーストラリアでは森林の樹木の9割以上がユーカリと言われています。オーストラリアの山にはブルーマウンテン、ブラウンマウンテン、ブラックマウンテンなど色を表した山があります。これは山を覆い尽くしているユーカリが放出する精油成分が太陽光線に当たり、山をそれらの色に染めるためにこのような名前がついたと言われます。また、オーストラリアのマスコット的存在のコアラはこのユーカリの枝先につく葉だけを食べ、ユーカリの枝で寝、生活をしています。オーストラリアの原住民のアボリジニの人々もユーカリの殺菌消毒特性や、治療特性を用いてキズの周りを葉で巻いたり、熱を下げるのに用いています。

■効用■  
[体やお肌に対して]
@ 抗ウィルス作用があり、呼吸器に役立ちます。
(流感、せき、喘息、喉の痛み、痰がからむ、鼻づまり、蓄のう症、気管支炎、水疱瘡、帯状疱瘡や口辺疱瘡)
※帯状、口辺疱瘡はベルガモットとともに用いると効果が高まります。また水疱瘡はカモミールやラベンダーとともに沐浴やスプレーで用いると良いでしょう
A 痛みを鎮める作用があります。
(頭痛、偏頭痛、リウマチ、筋肉痛、神経痛)
B 殺菌消毒、利尿作用があります。
(膀胱炎、尿道炎、腎盂炎、糖尿病)
C

血糖値を下げる働きがあります。
(糖尿病)

D 解熱作用があります。
E 昆虫を寄せ付けません。
F デオドラント効果があります。
G 炎症の鎮静と皮膚細胞を再生する作用があります。
(火傷、切り傷、炎症)

 

[心に対して]
@ 熱くなった気持ちをクールダウンさせ、心を平静にします。
  (怒り、ヒステリー、ショック)
A 気分がすっきりとしないとき、頭の働きを明晰にし、記憶力・集中力を高めます。
 

■アロマテラピーの活用法■

ユーカリもまた昔から人々の生活に役立ってきた樹です。西洋医学が発達していなかったころは熱が上がる病であるジフテリア、チフス、マラリア、しょう紅熱などにも用いられていました。ユーカリがいかに殺菌消毒、抗ウィルス作用、解熱作用があるかがうかがえます。こんなユーカリの良さをこの寒い季節に見逃す手はありません。風邪の予防として、また風邪のひき始めのケアとして用いるにはもってこいです。

<風邪を引かない体力作り:マッサージ>
 
グレープシードオイルやオリーブオイル(決してサラダ油やてんぷら油は用いないで下さい。アレルギーを起こす可能性がありあます。)などの植物油にユーカリの精油をまぜて(1〜2.5% 濃度:1滴が0.05ccであれば10〜25滴)胸や首、背中をマッサージすると良いでしょう。免疫力をアップさせるラベンダーやレモンなどの精油をあわせるといいでしょう。小さな子供(8歳以上)に用いる場合は上記の濃度の半分、幼児(1〜7歳)の場合は50ccの植物油に3滴で充分です。

<風邪を引かないための環境作り:香りの拡散>
 
ユーカリの精油を水で2%に薄めて空気中にスプレーすると、ブドウ球菌が70%も殺されることがわかっています。風邪のウィルスが少ないほど風邪にかかる可能性も低くなります。スプレーの他にアロマポットで香りを焚くのもいいでしょう。

<風邪をひきのどが痛くなったり、鼻が詰まったとき:吸入>
 
洗面器にお湯をはり、精油を1、2滴垂らします。すると蒸気とともに精油の成分が立ち上がります。バスタオルで蒸気が逃げないように覆います。目を閉じて深呼吸をしましょう。(2〜5分間)。乾燥したのどのケアにはもってこいです。鼻もすっきりするでしょう。

■注意■

作用を強力に発揮する精油なので、使用量には気をつけましょう。
また、てんかんやアレルギー体質の方は避けたほうが良いでしょう。

 

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