【レモン】(ミカン科)

■からだに効く花図鑑/1996.11月号■


■ハーブの歴史■

 レモンの原産はインドですが、現在では地中海沿岸一帯とアメリカで栽培されています。地中海に運ばれたきっかけは、11世紀末から13世紀後半にかけて7度もわたって行われた十字軍の遠征です。彼らは東方の文化と様々な香木やスパイスを持ち帰りました。レモンはそんなお土産の1つです。
 中世ヨーロッパではクローブ(丁字)を果物に刺して作るフルーツポマンダーの1つとしてこのレモンも用いられ、悪魔払いとして持ち歩いたり、クリスマスや祝祭の贈り物にしていました。また、殺菌作用があることは古くから知られており、16世紀にイギリスでペストが流行ったときにオレンジやレモンの柑橘系の精油を混ぜて作ったロウソクを病室で燃やしていたそうです。
 一方、アメリカへはコロンブスの2度目の航海(1493年)で伝えられました。人間はビタミンCを体内に4週間分しか貯蔵できないそうで、欠乏すると壊血病になります。それを知っていたコロンブスは船の上で野菜の代わりにレモンからビタミンCを摂り、長時間の航海を務めたのでした。

■効用■  
[体やお肌に対して]
@ 殺菌消毒作用があります。
(発熱を伴った風邪、虫刺され、傷全般)
A 体の中の酸を中和させます。
(リウマチ、痛風、関節炎)
B 赤血球、白血球を活性化させ、免疫力をつけます。
C

循環器への強壮作用があります。
(動脈硬化、高血圧、むくみ、貧血、静脈瘤、セリュライト)

D 消化器系の機能を向上させ、胃酸過多を抑えます。
(胃痛、むかつき、吐き気、便秘)
E 止血作用があります。
(鼻血、傷全般)
F 死んだ細胞を取り除く作用があります。
(しみ、くすみ)
G

皮膚を軟化させます。
(いぼ、うおのめ、たこ、足の裏の角質)

 

[心に対して]
@ 心を落ち着かせ、リフレッシュさせてくれます。
A 頭の働きを明晰にし、記憶力・集中力を高め、やる気を出させます。
 

■アロマテラピーの活用法■

 石けんや洗剤などの日用品の香りによくレモンの香りが使われています。レモンのフレッシュな香りから清涼感や清潔感が得られるからでしょう。実際にレモンはとても強い殺菌消毒作用があります。これからおいしい牡蠣のシーズンになりますが、生牡蠣にレモンの果汁を搾って頂くのには牡蠣をおいしくするためだけではなく、生の牡蠣についた雑菌を殺す目的があるからです。(90%もの雑菌が除去されるそうです。)
 アロマテラピーの精油は意外にも私たちが食用にする果汁の部分からではなく、黄色い色のついた皮の部分から圧搾されます。(果皮を手でむくと手に黄色い汁がつきます。これが精油に含まれています。1kgの精油を取るのに3000個ものレモンが必要です。)

 風邪のシーズンには、室内の空気の浄化にレモンの香りのするエアーフレッシュナーはいかがでしょうか?柑橘系の心地よい香りが知らず知らずのうちに気分をよくしてくれます。また、年末年始で何かと外食の多い季節です。レモンは疲れ気味の消化器をスッキリさせ、活力を取り戻してくれます。風邪の予防も兼ねて植物油5ccにレモンの精油2滴を混ぜて、胸やお腹に擦り込むと良いでしょう。過食により酸性になりがちな体内のPHをアルカリ性に向けてくれます。

 60%のアルコール水にブレンドする精油はレモンのみでも、レモンとユーカリ、ラベンダー、ティーツリーなどを混ぜても空気の清浄化に良いでしょう。一週間くらい置くとアルコール臭が消え香りがまろやかになります。

 

■注意■

1.敏感肌を刺激することがあります。一度に大量に用いるのは避けましょう。

2.使用後は日光に当たるのを避けましょう。皮膚に炎症を起こす恐れがあります。特に紫外線の多い季節は気をつけましょう。

 

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