【イランイラン】(バンレイシ科)

■からだに効く花図鑑/1996.12月号■


■ハーブの歴史■

 イランイランはフィリピンやタヒチなどに生息する樹で、南国らしく伸び伸びとおおらかで、どこかエキゾチックな雰囲気をかもし出す植物です。樹は大きいもので20mになり、枝一面に女性の掌大の黄色い花がつきます。夜、月明かりに照らされたイランイランの花は何か女性が男性を誘っている姿のようにも思えます。実際、この花から採る精油はとても甘く美しい香りで催淫作用があり、南の地方の女性は好んでココナッツオイルにこの精油を混ぜたものでヘアを整えているようです。また、インドネシアでは新婚のカップルが夜を共にするベットの上にこの花びらをまき、ムードを高めるロマンチックな習慣があります。イランイランと言う名前の語源も美しく、マレー語で“花の中の花”という“ アイランイラン ”に由来します。また、現在ではシャネルの#5など高価な香水にもしばしば用いられています。

■効用■  
[体やお肌に対して]
@ 自律神経に働きかけ、深いリラックスをもたらす作用があります。特に呼吸器系と循環器系に有用でしょう。
(気管支の痙攣、せき、速すぎる呼吸、高すぎる血圧と速すぎる心拍)
A ホルモンのバランスをとる作用があります。特に女性には有用です。
(子宮の強壮、月経痛、冷感症)
B 男性生殖器を強化させます。
(前立腺肥大、インポテンツ、早漏)
C

分娩時に役立ち、産後の回復を促します。
(苦痛の軽減、産後のうつの軽減)

D 妊娠線や瘢痕を目立たなくします。
E 皮脂のバランスをとるので全ての肌タイプに適応します。
(乾燥肌〜脂性肌)
F 頭皮を強壮します。
(抜け毛、育毛)

 

[心に対して]
@ 情緒を安定させ、感情を穏やかにし、リラックスさせます。
(怒り、不安、ショック、パニック、恐怖、自信喪失)
A

心を活性化させ、、やる気を出させてくれます。
(抑うつ、無気力)

 

■アロマテラピーの活用法■

 この精油の香りを嗅ぐといつの間にか呼吸がゆったりとし、今まで緊張していた神経や筋肉が弛められていく感じがします。イランイランの精油の一番の作用はこのリラックスさせる作用でしょう。体の緊張は自律神経が関与しています。自立神経は臓器や血管の平滑筋がコントロールしています。ゆったりとした状態でないと胃や腸は消化活動ができませんし、また、いつも緊張していると血管を覆っている筋肉も収縮し、血管が細くなり、血圧が高くなってしまいます。そんな時は、この香りをかいでみましょう。体の中からリラックスした気分が味わえます。家でこの香りを楽しむなら、アロマポットでお部屋に香りを漂わせても良いですし、一日の疲れを取るバスタイムに用いても良いでしょう。また、恋人などパートナーと一緒に入浴するときはムードを高めてくれるでしょう。

 女性は、スキンケア用として基材(ミネラルウォーターやハーブ水など)にこの精油を混ぜローション(1〜1.5%濃度:50ccの基材に対して1滴が0.05ccであれば10〜15滴)として用いたり、植物油を基材(ホホバ油など)として精油を混ぜ、マッサージ(1〜2.5%濃度:同上の条件で10〜25滴)するのも良いでしょう。皮脂のバランスを整えるばかりか、お顔の筋肉の緊張もとけ、良い香りの中で気持ちもゆったりとしてきます。さらに、体内に取り込まれた精油によってホルモンバランスを促してくれるでしょう。

 イランイランの精油は甘く重い香りのする精油なので、柑橘系のグレープフルーツやレモン、ベルガモットとブレンドすると、すがすがしさがプラスされるでしょう。“世界で一番良い香り”といわれるブレンドを紹介しましょう。サンダルウッド(白檀)とイランイランとジャスミンを3:2:1の割合でブレンドします。豪華な甘い香りが漂います。

〜沐浴図〜

通常浴槽には精油を5、6滴たらしますが、この精油はかなり強い香りですので、1〜3滴で充分でしょう。低血圧の人の長時間の入浴は頭痛を催すことがあります。気をつけましょう。

■注意■

1.一度に大量に用いると吐き気や頭痛に見舞われるので、量は少なめにしましょう。特に、低血圧気味の方は気をつけて下さい。

2.敏感な肌を刺激する恐れがありますので、火傷している肌への使用は避けましょう。

3.低品質の精油も出回っています。純粋な蒸気蒸留による精油を用いましょう。

4.集中したい時は使用を避けた方が良いでしょう。

 

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