【フランキンセンス】(カンラン科)

■からだに効く花図鑑/1997.3月号■


■ハーブの歴史■

 アラビア半島南西部で採れるフランキンセンス。この香りほど歴史上最も神聖に扱われたものはないのではないでしょうか。エジプトでは朝、昼、晩と日に3度お祈りを捧げていましたが、フランキンセンスは朝、太陽神(ラー)へのお祈りとともに焚かれていました。ラテン語で香水を“Perfume”と言いますが、これは“per=through(〜通す)”と“fome=to smoke(煙を出す)”を合わせた言葉です。このことからもわかる通り神様と人間をつなげる手段として香りが焚かれていたのでしょう。
 また、キリストが生まれたときに東方の三使者がこのフランキンセンスとミルラ(没薬)と金を献上したといわれています。当時は香料のフランキンセンスやミルラが金と同等の価値があったことがわかります。 また、この贈り物には深い意味がありました。三使者達はキリストがどの贈り物を好むか試していたのです。実は金は“偉大な商人”ミルラは“偉大な医者”フランキンセンスは“偉大な預言者”の象徴だったのです。もちろんキリストはフランキンセンスを選んだのでした。

■効用■
[体やお肌に対して]
@ 粘膜に著しく作用し、呼吸をゆっくりにさせるので呼吸器系に有効です
(肺の浄化、息切れ、喘息、カタル、鼻かぜ、せき、気管支炎、咽頭炎)
A

利尿作用があります。
(ぼうこう炎、腎臓の感染症)

B 子宮強壮作用があります。
(子宮出血、多量月経)
C 鎮静作用があるので、出産を円滑にすすめてくれます。
D 産後のうつ症や、乳房の炎症にもよいでしょう。
E 消化作用があります。
(消化不良、げっぷ)
F 新しい細胞の成長を促します。
(乾燥肌、敏感肌、老化肌、しみ、しわ)
G 皮脂バランスをとります。
H 消毒作用があります。
(創傷、ただれ、炎症)

 

[心に対して]
@ 呼吸をゆっくりにし、心をリラックスさせます。
A

不安や脅迫観念を追い払います。


■アロマテラピーの活用法■

 

朝5分だけ早起きして精油を入れた熱いお湯で手浴をすると寒さ知らずです。お湯の中で手を握ったり、開いたりすることでさらに血液の循環を促します。

 和名では“乳香”と呼ばれます。この樹はとても乾燥した荒野に生息し、葉もほとんどつきませんが、樹をえぐるとジワジワと樹液が出ます。精油はこの樹液より抽出されますが、その樹液の色が乳白色でお乳に似ていることや幹から染み出る樹液の形が女性の乳頭に似ていることでそのような名前がついたのでしょう。通常は上を向いて伸びますが、たまに下を向いた枝もあってそこからも樹液が1滴1滴と垂れています。乳香の樹の中に溢れんばかりの樹液がある証でしょう。

 乾燥した大地で満ち満ちたこの樹の精油が女性の乾燥肌やシミ、シワに有効とはなんて不思議なのでしょう。実際に、ホホバオイルなどの植物油(50cc)に香りの相性の良いネロリやラベンダーの精油(合計15〜20滴)と一緒にブレンドしたものでお顔のマッサージをすると今まで萎んでいた細胞一つ一つが一回り大きくなった感じを受けます。私の寒い季節の定番レシピの1つです。また、寒い朝熱いお湯に乳香を2、3滴垂らし手浴をするのもわたしは大好きです。軽いリフレッシュ作用が眠い朝には程よい刺激ですし、手の血行が良くなり手や体が冷えることもなくなりました。また、荒れた手もケアしてくれて大助かりです。

 

■注意■

1.通経作用があるので、月経過多・多量月経の時は避けましょう。

2.子宮収縮作用があるので、妊娠中は避けましょう。

3.一緒にアルコール飲料を摂取すると吐き気に襲われることがあります。

 

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