○●木枯らしの季節、抜け毛対策をアロマで●○

「楽々健康アロマセラピー」1998・12月号

“先生、不思議なんだよな。産毛が生えてきたんだ。”思わず私はニンヤリしてしまいました。この方は30代に入ったばかりなのに頭皮がはっきり見えるほど髪の毛が薄くなってきていました。本人は明るい性格なので日頃は薄くなった頭のことなんかあまり気にしたそぶりも見せていませんでしたが、やはり悩んでいたのでしょう。はじめ私が“アロマのローションやヘッドのオイルマッサージが髪の毛に良いよ。”と言っても半信半疑でした。しかし、日頃のストレスや疲れを取るための1ヶ月に1度の全身のアロマのオイルマッサージの効果も相まって頭皮にも良い効果が現れたのでしょう。
 毛乳頭を含む毛包は2〜5年の成長期と3〜4ヶ月の休止期があります。毛乳頭がやせると休止期に入り、しばらくの間、栄養を貯えて次の成長期になります。毛包は皮膚表面から約4〜5mmのところ、真皮層にあります。ここは表皮とは異なり血管やリンパ管があるので毛包の細胞が代謝に必要な栄養分や酸素を受け取り、逆に代謝によって産出される老廃物や二酸化炭素を速やかに運び去ることが可能な組織です。

 仕事のしすぎやストレスの多い方の頭皮のマッサージをすると“硬いなあ”という印象を持ちます。もちろんこのような方は肩や首が凝っているのは言うまでもありません。首に続く頭の筋肉も同じように凝っています。同じように頭の皮膚の組織も締まった感じになるのでしょう。するとどうでしょう。髪の毛に栄養を与えている毛包への血行が不良になります。1つ1つの細胞も私たちと同じで、ご飯と酸素が与えられなければ、元気がなくなったり、寿命が短くなることも簡単に想像できますね。
  ですから表皮はもちろん、その下の毛包がある真皮層へも容易に浸透する植物油と精油でのマッサージは血行が改善されるのでとても良いケアの方法です。また植物油でのマッサージは毛穴から汚れを浮き上がらせてくれるので、その後しっかりシャンプーすれば頭皮は皮を1枚剥いだようなそんなすがすがしい感じです。アロマ入りの植物油で頭をマッサージしているとき、リラックスできる香りに包まれながらボーッとできるひとときを持つことで身体にもこころにも良いトリートメントになりそうです。

ハーブの利用法

 脱毛症に良いとされているハーブにはアルニカとサザンウッド(キダチヨモギ)があります。両ハーブとも浸剤(乾燥ハーブなら30g、生のハーブなら75gに熱湯を注ぎ、10分蒸らして成分を抽出させます。なるべく湯気とともに成分が蒸発しないようにします)を作り、リンスの代わりに用いると良いでしょう。サザンウッドはこの浸剤をお茶の代わりに飲まれても結構ですよ。
  体型がやせ形で疲労感を感じやすい方は五味子(チョウセンゴミシ)アンゼリカなどの浸剤を飲み、腎臓や肝臓のエネルギーを増加させるのも頭皮に良い影響を与えるでしょう。逆に体格がよく、肌がくすんで黒いタイプはマシュマロウやレモンバームの浸剤を飲むと、身体の老廃物が除去され、血行も改善されて良いでしょう。

アロマセラピーでのケア

植物油でのヘッドマッサージはシャンプー前に行います。髪が濡れているとオイルをはじいてしまうからです。髪よりも頭皮にオイルを染み込ませるつもりで行います。ベースとなる植物オイルはゴマ油(茶色ではなく淡い黄色のもの)や椿油が適しているでしょう。50ccの植物油にアロマの精油を15滴入れます。精油は1種類よりも3,4種類ブレンドした方が香りにも膨らみが出ますし、相乗効果が出るようです。抜け毛対策として、脂っぽい頭皮の方にお勧めなのが、クラリセージ、シダーウッド、ローズマリーなどです。乾燥気味の頭皮ならパチュリー、カモミールやサンダルウッド、ラベンダーなどです。5〜10分行い(できれば10分くらいそのままにしてオイルを染み込ませます。)シャンプーします。マッサージが面倒という方はハーブ水やアロエ水に精油をブレンドして、ローションとして用いても良いでしょう。


精油の作用紹介

☆クラリセージ(シソ科)(妊娠中は禁忌)  
@ホルモンのバランスをとります。(少量月経・月経前緊張、月経痛・不妊症)  
A腎臓を強壮します。  
B身体を全体的に強壮する働きがあります。

☆シダーウッド(ヒノキ科)(妊娠中は禁忌)  
@身体のバランスを回復させる作用があります。  
A去痰作用があります。(気管支炎・せき・カタル)  
B腎臓への強壮作用、利尿作用があります。  
Cこころに安定した感情をもたらしてくれるでしょう。

☆ローズマリー(シソ科)(妊娠中は禁忌)
@脳血流量を増させ、各感覚を活性させます。(視力・聴力・言語力)
A鎮痛作用があります。(頭痛・痛風・リウマチ・筋肉痛)  
B肝臓への強壮作用があります。  
C気力を充実させ、頭をすっきりさせます。(無気力・精神的疲労)

 

参考文献
「アロマテラピーのための84の精油」(ワンダー・セラー著フレグランスジャーナル社)
「メディカルハーブ」(ペネラピ・オディ著日本ヴォーグ社)

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